先を行くか後を追うのかのどちらしかない

「先頭を進む人間がいれば、後からついていく人間もいる。先頭が振り返って言う。『こっちへ行こう』『なぜ?』『とにかく行きたいからだ。行くぞ』。そう言われれば、後の者はついて行くしかない。先頭を進む人間になるには、自分の行動を決める自信と強さが必要だ」

「ついてきたい者はついてくるがいい。共犯者になりたいなら勝手にするがいい。来たくないというなら行ってしまえ。ただ自分の道を行く。それが主導権を握る人間だ。誰もついてこなくても構わない」

「行きたいところへ行くために、一人で進み、自分で決断する。その決断力が人に影響を与える。迷いがある人は、そんな強い態度に心を動かされるだろう。たとえば道が分からなくなったとき、誰かが『俺は道を知っている。こっちだ』と言うと、『よし、この人についていこう』となる」

「すると別の男が『違う、違う。これは北へ向かう道だ。南へ行こう』と言うかもしれない。一人は南、もう一人は北へ。後の者は、どちらについていくのか、あるいはどちらも選ばずそこに残るのかを、決めなくてはならない。先頭を行こうとする者が二人現れて、それぞれ別の道を指差すというのはよくあることだ」

「後を追う者は選ぶしかない。どちらについていくのか。あるいはその場に残るのか。ついていくだけの人間は弱い。しかし、先を行くか後を追うのかのどちらしかない。それが世の中だ」
byヒクソン・グレイシー


