グレイシー柔術へようこそ

「手を挙げた新兵たちが指定された時間に兵舎へ赴くと、床にはマットが敷かれていた。『よし。靴を脱いで、そこに一例に並べ』兵曹長は壁を指した。みんなで指示に従ったが、すでに私の自信は溶けてなくなりかけていた」

「『座れ。では一度にひとりずつ攻撃してこい。参ったと思ったら、手のひらでマットを叩く(タップする)か、私を三回叩け』そう言うと、彼はただ床に寝ころんだ。新兵のひとりが立ち上がり、近づいて飛びかかった」

「次の瞬間、どうしたことか若い隊員は不思議な力でひっくり返され、首を極められて、たまらずタップした。兵曹長はふたたび床に寝ころんで手足を広げた。『次は誰だ?』俺が行こう。立ち上がり歩み寄った。急いで飛び込んだチームメイトの失敗をくり返してはならない」

「時間をかけて、もっと賢く、もっと慎重にいこう。兵曹長は何も気にしていないようだ。少し取っ組み合ったあと、私は足をつかもうと手を伸ばした。すると、とたんに巻き込まれ、あちこちねじられ、肘を伸ばされ、折られそうになった瞬間タップした。こんな感じで一時間近くが過ぎた」

「新兵は次から次へとねじ伏せられた。みんな汗だくになって激しく息を切らしている。もうこれ以上は続けられなくなったところで、兵曹長は私たちを見渡し、『グレイシー柔術へようこそ』と言った」
byジョコ・ウィリンク(アメリカ海軍特殊部隊元司令官)


