「格闘の試合では精神面がもっとも難しい。息子のホクソンでさえその側面は会得できずじまいだった。ホクソンはよく、自分の目標は私と同じかそれ以上の柔術家になることだと言っていた。基本的には、私が彼の年齢で抱いたのと同じ目標だが、追求の仕方はまったくちがっていた。彼は私の後継者になりたくて無理をしすぎた。つねに急いでいた、なにもかもがもどかしかったのだろう。アクセルを常時ベタ踏みしていた。じっくり構えて相手のミスを待とうとしなかった」
byヒクソン・グレイシー

ヒクソン先生のご子息のホクソン・グレイシーでさえ会得できなかった柔術の精神面。

現代の試合時間が短くなりルールで目に見えるアクションを求められるスポーツ競技自体が柔術の精神面は身につきにくいです。

その人の性格にもよりますが… 時間に焦らされ、ルールに焦らされ、審判やセコンドに焦らされ、常に急がされる現代スポーツ競技。

現代の高度なスポーツ競技だと、攻撃的で高く強いフィジカルと動きを生み出す複雑な技の多さを駆使できる強者しかできなくなります… 柔術の精神面や戦術・戦略は弱者が身を守り勝機を待つことが許される試し合いではないと柔術の精神面… セルフディフェンスは身につかないのです。