「柔術で大きな怪我をするケースは非常に多い。特に体がまだできていない場合や、負けたくなくて無理な攻撃を仕掛けてしまう場合だ。経験の浅い白帯の人は、つい『ギブアップしたくない』と思う。だから実力以上のことをしようとして、ケガをしてしまうのだ」
「柔術を習い始めたばかりの人に、私はたいていこう言う。『いいかい。追い込まれても気にするな。つかまってしまったら、どうなっているのか確認しろ。何がなんだか分からないまま、がむしゃらに動こうとせずに、まず問題を解決する。パニックを起こすな。それから、間違ったポジションに入ってしまわないことだ』。」
byヒクソン・グレイシー
柔術はセルフディフェンスなので怪我には細心の注意が必要ですが… スポーツ競技だと真逆のことを要求されます。
セルフディフェンスは身を護り、相手が崩れるのを待ち、時間をかけてプレッシャーをかけ制していかないといけませんが… スポーツ競技は攻撃的になり、相手を攻め続け、制限時間内に自分も相手も追い込み、勝つことを求められます。
同じ柔術と言われるものでも中身が全く違います… 勝てるスポーツエリートを作るのが柔術の本質ではなく、凡人や弱者を負けない柔術家にするのが柔術の真の本質なのです。