トラスト柔術アカデミー鹿児島・出水鶴柔術♪

「競技に関する私の最初の記憶は、柔術のことでも試合のことでもない。試合前に父から送られたメッセージだ。人生を歩むうえで、その言葉はずっと心に残っている。まだ六歳だったから私に適した部門がなく、年上の子たちと同じ枠に入れられた」

「マットに上がる直前、父は『ヒクソン、試合に負けたらプレゼントをふたつやろう。勝ったらひとつだ』と言った。負けても怒られないのだと思うと、重圧が消えていった。試合には負けたが、父が怒らなかったので、いやな思いはしなかった」

「それどころか、年上の子たちに向かっていった私を父は誇りに思ってくれた。父に認められたーーー感じたのはそれだけだった叱られることも神経をすり減らすこともなかった」

「小さなころに柔術をはじめた子たちが学ぶのは、強さや競争力だけでない。柔術は柔道や空手よりはるかに流動的で、攻撃性だけでなく忍耐力が必要だし、苦しい状況に置かれても安心できるようになるには戦略を練る必要がある。そこがレスリングとも柔道とも異なる点だ」
byヒクソン・グレイシー