「どんな人でもやっておかなくてはいけないのは、自分自身を今より深く知ることだ。では、どうすればいいのだろう。ただ待っているだけでは、誰も答えを教えてはくれない」

「なぜなら、答えはもともと自分の中にあるのだ。たとえば、素晴らしい本を読むとする。すると何かが心に触れ、読み終えるとすぐ、本から学んだことを実践するようになり、やがてそれが自分の一部になる」

「ところが、同じ本を何度も読んでいるにもかかわらず、何の変化もないという人もいる。何かを悟ることも、特別な知識を吸収することもないまま、前と同じことを続けようとするのだ」

「本を読むのが無駄だという意味ではない。一冊の本からどれだけ大きな影響を受けるか、また、どれだけ人に差をつけるかは、『本人』次第だということだ。そういう意味では、私は誰かに何かを教わったわけではない」

「信じるものを守り、前へ進んできただけだ。われわれ兄弟は同じ柔術を学び、長いあいだ一緒に稽古をしてきた。では、なぜ私が兄弟の誰よりも一歩前に出れたのだろうか?それは私にも分からない」

「ただ、自分の中にある”何か″のおかげだ。私だけの何かがあったのだ。だから、自分自身を知ることがなにより大切だ。それが楽しくやれるのが、柔術だ」
byヒクソン・グレイシー