「柔術を愛し、私から刺激を受けたという見知らぬ男たちの力になる。そのアイデアを形にするために、私はセミナーを立ち上げた。全十回のセミナーで、基本的なことを教えながら、柔術の本質を伝授するものだ」
「信じられないかもしれないが、その中には黒帯の選手のうち九五%が知らなかった内容もある。格闘技全体の話もする。セミナーで柔術について話していると、私が直接教えたことのある人を除いて、黒帯の十人中九人、もしかすると全員が、最も重要な柔術の基本を忘れていることが分かる」
「それを知るだけで人より強くなれるにもかかわらず、多くの人が忘れているのだ。だから私は誓った。全力を尽くして、柔術界全体にもう一度基本を浸透させることを。それが必ず次の世代へ本物の柔術を伝えることにつながるのだと」
「私が改良を重ねてきた技術、発見した事実、私を最強のファイターにしたエッセンス。何もかも墓まで持っていったらどうなるだろう。あるいは、息子だけに教えて、グレイシーの旗の中に封じ込めておいたらどうだろう」
「きっと柔術界全体が活気を失うに違いない。そして見えない力を持つ人間は、いずれ育たなくなり、ただ腕っぷしが強いだけの男ばかりになってしまうだろう」
byヒクソン・グレイシー