「勝利の法則を見出そうと考えていたわけではない。ただ、試合に勝つたびに、勝利に感謝した。そして、何が勝利につながったのかを深く見つめた。トップでいることを一度味わった人間は、それ以下では二度と満足できない。たいていの人がそうだろう」

「私がその味を初めて知ったのは六歳の頃。そのとき、自分には大物になる才能があると感じた。いつか頂点に立つことができるだろうと感じた。それからずっと、少しずつ進歩を積み重ねてきたのだ。最初の十年は、注目を集めることばかり考えていた」

「雑誌に載り、女の子に自慢し、有名になり、街行く人を振り返らせ、練習相手に一目置かれる。そんなことが大事だった。しかしその後は、そんな身勝手な感情に振り回されることはなくなった」

「一族を代表し、伝統を受け継ぎ、自分の周りで起こることのすべてに、責任を持って生きてきた。そしてさらに十五年が過ぎたときに、自分がやり残したことは、人々の心のあり方を変えることだと確信した。人々の心を動かしたい」

「私が出会った不思議な力を伝えたい。生きる力を与えたい。人は変われるし、長所を伸ばすことができる。自信にあふれ、自分に誇りを持ち、鋭い感覚を備えた、強い人間になれる。そのための最高の方法が柔術だと気づいたのだった」
byヒクソン・グレイシー