「最近、他の道場で黒帯をとった人が、私の指導を受けたあとこう言った。『驚きましたよ。まるで白帯に戻ったような気分でした。ありがとうございます。周りがよく見えるようになりました』。私が教えた人はたいてい、柔術への情熱をさらに高めて、私にいっそうの敬意を表してくれる」

「そして、自分の道場で私の柔術を広めてくれる。もしそのようにして将来の世代に真の柔術を確実に残せるなら、私は安心して休むことができる。だから自分の技術を隠しておくことには意味がないのだと、あるとき私は気づいた。それが新しいモチベーションとなり、新しい生きがい、新しい情熱が生まれ、残りの人生をかけたいと思ったのだ」

「私は人と競うために生きているのではない。争うためにここにいるのではない。みんなが知らないことを思いきって教えれば、友達や師匠になれる。だから私は教える。収入を得られるだけでなく、与え、受け取り、愛情を注ぎ、注がれる輪の中に入ることができる。しかもそこには、幸せ、心豊かな暮らし、自由な時間、楽しいサーフィン、数えればきりがないほどの喜びもあるのだ」

「柔術を深く理解する目。誰も知らなかった視点を、私は長年かけて、人々に教えられるように磨き上げ、多くの人に伝えてきた。今では人々によってさらに磨き上げられ、洗練されたその原理や概念は、誰にでも取り入れられるものになった。その結果、技術が進歩して、痩せた人、小柄な人、力の弱い人も、強くなれるようになった。野獣のような単なる力の強さはもういらない」

「技術さえあればどれだけ強くなれるかということに、人々は驚く。私が教えているのは、見えないほどのわずかな違いだが、大きな力を持つ技術で、セミナーでは、その目に見えない技を教えている。そして、その知識を持つのは私だけだ。目に見えない技術を知ることは、見えない何かを読み取ることとは違う。目に見えないほどの細かい違いを学ぶことだ」

「それが分かれば、今まで知らなかった感覚をつかむことができるし、動きの効果はまったく違ってくるだろう。楽々と自分より三十キロも重い相手を倒せるようになるかもしれない。普通の技だけでは、そんなことは不可能だ」
byヒクソン・グレイシー