「VTJ94の後、総合格闘技(MMA)に興味を持った日本のファンたちは、日本プロレス界のアイドルたちは私のようなファイターとどう戦うのだろうと想像をめぐらした。誰なら私を倒せるかーーー日本のプロレス雑誌がすぐに動き出した」
「ロサンゼルスに戻ると、日本の有名なレスラー髙田延彦が私への挑戦を表明したことを知った。髙田は日本有数のプロレス団体〈UWFインターナショナル〉の設立者だ。私を宣伝に使おうとしているのだろう」
「彼の挑戦を無視して家族をフィジーのタバルア島へ連れていき、二週間サーフィンを楽しんだ。ホリオンと決別したことで私たちは大きなチャンスをつかんだ。成功を収めたし、いまはお祝いのときだ」
「この島に近いクラウドブレイクと呼ばれる外洋の波は、ビッグウェーブになると恐怖を感じることもあった。何度かひどい失敗をしたが、旅の終盤では生涯最高の波に乗れた」
「家族全員にとって喜びの時間になり、私たちはエネルギーを充電してふたたびロサンゼルスに戻ってきた。そのニ、三週間後、日本の代理人から電話があった。髙田がマスコミに、ヒクソンが返事をよこさないのは戦うのが怖いからだと言っている」
「そこで私は髙田の挑戦についてプレスリリースを出し、筋書きのある試合はお断りで、プロレスのリングには絶対足を踏み入れないと明記した。ただし髙田が次のVTJで、あるいは路上でもいいから私と戦いたいというのなら、そのときを心待ちしている、と」
byヒクソン・グレイシー