トラスト柔術アカデミー鹿児島・出水鶴柔術♪
「ときどき、新しいDVDプレーヤーや最新のビデオゲームを持ち帰ることがあった。どこで手に入れたのかと訊くと、『道に落ちていた』と言う。ある日、知り合いの警察官から電話が来た。『いまここにホクソンがいる。店から盗みをはたらこうとしたところを捕まえた』署へ駆けつけると、息子は縁石の上に座っていた」
「『ヒクソン、逮捕するつもりはない』警官は言った。『でも、きみからよく話をしてほしい。大変なことになるところだったんだ』車で家へ戻る途中、盗みは間違ったことだし、自分の値打ちを証明するためにそんなことをする必要はないと諭すと、彼は黙って足元を見つめていた。家へ帰ると、私は言った」
「『ガレージへ来い。話はまだ終わっていない』彼は私の目を見返し、こうわめいた。『殴るなら殴ればいい。説教はご免だ。これ以上話すことはないーーーいいから、罰をあたえてくれ』私は″なんてこった、自分の行動がどんな結果を招くか、どうすればわからせられるんだ?〟と途方に暮れた」
「息子が手に負えなくなりかけていることに気がついたのはこのときだ。ホクソンは兄のホーウスを彷彿させた。どちらにも私を不安にさせる精神性が宿っていた。しかし、彼の状況を心配しながらも、自分と同じように息子もこの局面を通り抜けてくれるだろうと思っていた。このころ、私のまなざしはVTJの連覇に向いていた」
byヒクソン・グレイシー