「試合開始から賢明に試合を運んでいたが、上に乗った体勢から私の足首をつかんでアンクルロックを試みたのが致命的なミスとなった。私はそれを逃れ、逆に倒して体勢を入れ替えた」
「マウントからサイドポジションへ移行し、ふたたびマウントに戻るという流れに入ったときには、もう髙田が溺れかけているのは明らかだった。さらに攻勢を強め、顔面にパンチをくり出すと、腕が無防備になった」
「アームバーにとらえたところで彼はタップした。試合後リングアナウンサーが私にマイクを向けたので、観客に語りかけた。グレイシー柔術の創始者はコンデ・コマという日本の格闘家で、その人が今世紀の初頭、私の一族に柔術を教えてくれたのだと」
「『だから私は、真のサムライであるコマ氏から一族が受け継いだサムライ精神を持ち帰ってきたのです。この日本に滞在し、すばらしい時間を過ごすことができて、とても嬉しい。とくに食べ物はすばらしかった』その後も髙田は私に敬意を払ってくれた」
「彼は再戦の機会をあたえてもらったことに感謝し、私の戦士魂を称賛してくれた。勇敢なファイターだったが、総合格闘技いう新しい世界になめらかな移行を果たせるだけの知識にはまだ欠けていた。プロレスラーとしての活動が長く別種のせめぎ合いに体と意識が条件づけされていたからだ」
byヒクソン・グレイシー