「クロンはチャンピオンになるために必要なあらゆる情報を集め、目的にかなう形でそれを分析した。自分の運命を全うするため、ホクソンの考え、私の考え、エリオの考えをすべて知ったうえで、その知識体系を咀嚼した」
「成功に必要な精神と心と肉体の要素を全部集めようとしていた。クロンは勝てば勝つほど、勝つことへの執着が薄れていった。戦いの結果で人としての自分が定義されるわけではないと悟ってからは、飛躍的に向上した」
「最大限のハードな練習を積み、試合ではその場の流れにまかせた。勝っても、負けても、引き分けても、月曜日には道場へ戻って、試合などなかっかのように稽古に励む」
「私と同じく、ポイントや優勢やジャッジの判定を勝ち取るために戦うのでなく、かならず相手を仕留めにいった。紫帯、茶帯時代には五十一試合連続でサブミッション勝ちを収めた。試合が終わるたび、道着の裏に縫いつけたホクソン像にキスしていた」
「黒帯になって初めての試合は負けてはしまったが、その後は柔術のタイトルを総なめにし、MMAの世界に足を踏み入れた」
byヒクソン・グレイシー