「リオに戻ったとき、ひとつの誓いを立てた。この何年か、私立学校の授業料や住宅ローン、車のローンといった支払いを続けてきたが、これからは稼ぐお金が使うお金より多い暮らしをしよう」
「基本的な話と思われるかもしれないが、いまは簡単にクレジットが組める世界でもある。月に百万ドル稼いでも、百二十万ドル使えば暮らしは立ちゆかない。もっと大事なことがある」
「お金中心の暮らしは簡単に自分を追い詰めてしまう。マリブに住みたければ家を買うのに最低三百万ドルが必要だし、それははじまりにすぎない。近所はどこもポルシェを持っているから、すぐにポルシェが欲しくなる。子どもは最高の私立学校に通わせた」
「彼らの友達はそんな学校に通っているからだ。期待値が上がりつづけると、ゆっくりと、しかし確実に、所有しているものに自分が所有されていく。二、三年後には年収が五百万ドルあっても足りず、一千万ドル稼ぐ必要が出てくる」
「幸せよりお金が大事になると警戒を解いてゆったりと過ごせなくなり、人生をつかみそこねてしまう。お金は厄介だ。自由や幸せを運んでくることもあれば、痛みや不安をもたらすこともある。健康的なバランスを取ろう。そう私は決意した」
byヒクソン・グレイシー