「二〇一三年秋、自宅からほど近いレドンドビーチで二日間、非公開のミーティングを開いた。もっとも信頼する黒帯指導者と生徒を招き、夕食に舌鼓を打ちながら再会を喜び合ったあと、私は開会を宣言し、真摯に語りかけた」
『私たちの文化、柔術文化は包囲を受けている。我々は少数派になり、かつてのスタイルを失いかけている。私たちのシステムは弱者が強者から身を守るために編み出されたものだ』
『美しいメダルや派手な宙返りは、実生活とは関係ない。護身術を知らなければ柔術を知っているとは言えない。パンチやヘッドロック、ベアハッグから身を守る準備が必要だ』
『それができない者は握力と身体能力に頼ったタフガイでしかない。それはグレイシー柔術ではない!』
「二日をかけて護身の技術を見直し、どうすれば武術としての柔術がその有効性を取り戻せるかを話し合った」
byヒクソン・グレイシー