「パロスヴェルデスの家に引っ越したとき、私は近所の動物が庭で快適に過ごせるように環境を整えた。数ヶ月のうちにリスやアライグマ、カラス、アオカケスと友達になった。ところが一匹だけ敵がいた。野良猫だ」
「そいつはいつも鳥を殺そうとした。私は猫が嫌いだった。わがままで、小ずるく、たちの悪い動物だと思っていた。最初はホースで水をかけて追い払おうとしたが、この雄猫はとても賢く、それくらいでは引き下がらなかった」
「冬がきて寒波と冷雨が何週間も続いたとき、この猫がすぶ濡れになっているのを見たカシアがかわいそうに思い、雨をしのげるよう犬の旅行用キャリーバッグを外に置いてやると、猫はその中で寝るようになった。ある日、猫が足の一本を痛めてほとんど歩けなくなっていた」
「彼がキャリーバッグに入ったところでファスナーを閉め、動物病院へ連れていくと、獣医が『アライグマと戦ったようだ』と言う。治療してもらって家へ連れ帰り、屋内で回復を図れるようガレージのドアに穴を開けてやった。猫は元気になると、私たちに感謝したのか鳥に手を出さなくなった」
「私はこの猫と仲良くなり、猫全般についての考えを改めた。そして彼をジンジャーと名づけた。人とのつながりが深まるほど人生は充実する。そんな確信をジンジャーは固めてくれた」
byヒクソン・グレイシー