トラスト柔術アカデミー鹿児島・持永木材グレイシー柔術クラス♪

「前回日本へ行ったとき、あるテレビのゲーム番組に招かれた。内容は単純で、指圧師から足のツボを押されて三十秒我慢できたら勝ちというものだ。耐えきった人はまだいないという。撮影場所のホテルに着くと、カメラが設置され、すでに指圧師の姿もあった。背は低いが、巨大な前腕と太く短い指が印象的だった」
「私は準備に何分かもらった。いつものように呼吸を整えて戦闘モードに入るや、これには自分の名誉がかかっていると感じた。実戦で関節技にとらえられた場合、たとえ腕や足首が折れても私はタップしない。私の辞書に″あきらめる〟とか″投げ出す〟という言葉はない。しかし、テレビで何百万人もが視聴すると思うと、よけいプレッシャーがかかった」
「プロデューサーからゴーサインが出たとき、くそったれ、足の一本ぐらいくれてやる、と心の中でつぶやいた……あっという間に終了のベルが鳴り、三十秒が過ぎていた。指圧師は感心してみせると同時に、私がまったく声を漏らさなかったので、自分の指が本当に狙ったツボに入っていたのかを疑いはじめたようだった」
「どうやって我慢したのかと訊くので、試合のとくのように精神を集中した、と答えた。戦いとなれば絶対あきらめることはない。『失礼ながら、あなたを指圧師とは見ていなかった。対戦相手と考えていた。痛みは予期していたし、不動の精神でそれに打ち勝ちました』と私は言った。そのあと立ち上がったときは、エレベーターまで歩くのがやっとだった」
「人の心は驚異的な可能性を秘めているが、それを見つけるためには深く自分を掘り下げる必要がある。理由さえあれば、私はどんな肉体的苦痛にも耐えることができる。これは武術の修練と戦いに身を捧げた日々の賜物で、いまでは私の魂の一部になっている」
byヒクソン・グレイシー
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