「ブラジルでは、そんな固まったものの見方をしない。人が何を持っているかなど、大した意味がないのだ。なぜなら、ほとんどの人が貧しいからだ。人口の一〇%が失業中、八%が一日一ドル以下で暮らしている」
「上から一〇%の人が経済の四〇%を握っているが、残りの六〇%の人は中の下以下の生活水準。それほど多くの人が質素な暮らしをしているところでは、人の外見を見ても何も分からない」
「むしろ、物事をどのように見るか、どれだけ理解できるか、どう感じるかが勝負だ。誰もが真剣に生きている。ブラジルは、そういう国なのだ。三十歳でアメリカへ渡るまでの私は、いつもそうした直球勝負の生き方をしていた」
「頂点に立つのは必ず、最も賢い人間だったのだから。ブラジルという国はどこもかしこも熱気に満ちている。私の出身地、リオデジャネイロもそうだ。私はその激しさを感じながら育った」
「昔からこの国の人間は、規律を守ったり人に敬意を示したりすることが苦手なのだ。今もそれは変わらない。基本的には一歩家を出れば自分だけが頼りなのだ。何が起こるか分からない」
byヒクソン・グレイシー