「グレイシーの家に生まれた人間は、柔術とは無縁でいられない。ただし、情熱を注ぐ者もいれば、護身術として習っただけの者まで、その関わり方はさまざま」
「いずれにせよ、この家に生まれた瞬間から、もうグレイシーの一員であり、その名に恥じない程度に柔術を知らなくてはいけない。やがて成長して周りが見えてくると、闘い方を知っていれば一族の中で認めてもらえることに気づく」
「私は六歳のときに大会に出てからずっと、道場で生きることが自分を高め、知識を磨くことであり、そこが自分の居場所だという気持ちを持っている。また、道場で私がいいところを見せれば、父はどんな願いもかなえてくれるのだということも分かった」
「父は学校の成績にまるで関心がなく、私は自然に『欲しいものが手に入るのは道場だ』と考えるようになった。たとえば新しい自転車が欲しいとき、学校でいい成績をとるよらも、トーナメントで優勝するほうが確実だと思えたのだ」
「父の目を文字通り輝かせたいなら、学校ではなく、道場で注目を集めなければならない。だから私はあまり学校へ行かなくなってしまった」
byヒクソン・グレイシー