トラスト柔術アカデミー鹿児島・出水鶴柔術♪

「私自身が払った犠牲はというと、たしか私が十三歳で、学校へときどき顔を出しながら柔術の稽古ばかりしていた頃のことだ。前にも書いたように、我が家では稽古さえしていればよかった。あるとき、力の強い大人の男たちと稽古をしていたときのこと、私はそのうちの一人に、嫌なポジションを取られてしまった」
「首を押さえられた。苦しくて、息ができなくなりそうだった私は、死に物狂いでタップした。前の稽古を終えてから五分か十分しかたっておらず、疲れていたこともあって、『くそっ、やめろ、やめろ』と叫ぶしかなかった。まだ子供だった私にはそれがショックで、まるで悪い夢を見ているようだった」
「気がつくと、怒りのあまり泣いてしまったのだ。猛烈に、自分に腹が立った。一瞬、命の危険を感じた。不意に息ができなくなり、心の底から怖かった。これからどうなるのか、何が起こっているのかが、まったく分からなかった。私は真剣に悩んだ」
「あとになって、パニックに陥った瞬間のことを考えてみても、相手に特に優れた技術があったわけでもなく、特に力が強かったわけでもない。ただつかまれただけでギブアップさせられたのだ。私は家に帰ってからも、真剣に悩み続けた」
「『ちくしょう、あんなに簡単に負けてたまるもんか』と思った。それか私は、そういう嫌な体勢になってしまったとき、どうすればいいのかを考え始めた。そして思いついた方法とは、悪夢を再現して向き合うことだった」
byヒクソン・グレイシー