「いずれにしろ、一度は沈まなくてはいけない。心の底から泣く。身を切られるような苦しみを感じる。世界に背を向ける。そこから、もし浮き上がれるなら、生まれ変わらなくてはいけない。たとえば、腕、息子、仕事、妻、家など何か大切なものを失った自分として再出発する」
「そして生まれ変わった人は、強さ、幸せ、どんなものでも取り戻すことができる力を、自分が再び手にしていることに気づくだろう。私がまさにそうだった。ある時期、何にも興味が持てなかった。深く沈んでいた。しかし私は、もう一度浮かび上がると決めた」
「では、どうやって浮かび上がったのだろうか。しばらくの間、私はただ裏庭にいた。そこは、たくさんの木が茂り、静かな気持ちになれる場所だった。誰にも会いたくなかったし、人の役に立ちたいとも、柔術を教えたいとも、稽古をしたいとも思わなかった」
「かといって瞑想していたわけでもない。ただ座って、何も考えずだらだらしたり、木に登っては、ぼんやりと景色を眺めていたのだ。そんなある日、一本の大きな木に登った。木の上からの眺めは本当に美しく、私はそこで亡くなった息子と静かに話をするため、そこにデッキを設置しようと考えた。それから三週間ほどは、そのことで頭が痛くいっぱいだった」
「正直なところ、立派なものができたわけではない。何もかも手作業だったので、投げ出したくなるほど難しいところもあった。木材を引き上げることから設置まで、全部自分でやった。作業は思うように進まず、木を傷つけないように進めようとすれば、あれこれと工夫も必要だった」
byヒクソン・グレイシー