「他の格闘技と比べると、柔術は特殊だ。たとえば柔道なら、柔道特有の動きや試合結果を語るとき、これはやってもいいが、あれはだめだという話になるたろう」

「しかし柔術にはそうした制限がない。柔道の場合、試合に勝つ方法は、基本的に投げ技で一本とるか、相手を床に押さえ込み、固め技で一本を取るかの二通り」

「『まいった』と言わせて勝つこともできるが、これは、ごく稀にしか起こらない。逆に柔術には、さまざまな勝ちパターンがある。だから柔術は、痩せた人、背の低い人、背の高い人、どんな人でもできるし、個人の性格や体格に合わせて学ぶことができる」

「決まった型はなく、全員が同じことをするわけではない。最も訓練を積み、運動能力や身体能力が発達した人が必ず勝つというものでもない。いろいろな動きに何とかして合わせていく勝負になる」

「相手の上にいるときは、その状況に対応するし、下にいるときは、それに対応する。むしろ、試合によって動きすら変えなくてはいけないのだ」
byヒクソン・グレイシー