
「損得をたけを考えれば、相手のことなど考えなくてもいいし、『欲しいものが欲しいだけだ。文句あるか』で構わない」

「しかし、まったく中立な立場で、人として正しいことをするなら、『この時計が二万ドルだということは分かっているし、きみが金を必要としていることも知っている。だが分かってくれ、一万ドルしか出せない』ということになる」

「それでもまだ私は得をする。もちろん相手は飛びついて、『いいよ、ありがとう。感謝する』と言うだろう。そして私と取引することについて、前の例とは違う気持ちになって帰るだろうし、私はいい人でいられる。たとえ、追い返すことができたとしても、私は力になりたいと思う」

「では、二万ドルとか一万九千ドルならどいだろう。実は一万八千ドルだって払いたくない。二万ドルも出せば、箱入りの新しい時計が買えるからだ。しかし、あえてそうすれば、相手は『ああ、あいつは損だと分かっているのに、困っていた私を救ってくれた。これで娘においしいものを食べさせてやれる。よかった』と思うだろう」

「悪いことなど一つもない。お互いに満足だ。みんな楽しく家に帰れる、二人とも前向きな気持ちでいられる、いい気分でいられる。それが私にとっての良い取引だ」
byヒクソン・グレイシー
