トラスト柔術アカデミー鹿児島・出水鶴柔術♪

「私はある人に出会った。ヨガと拳法の先生だ。ブラジルで『拳法』というと、いわゆる拳法とは少し違う意味になる。アニマルエクササイズや特別な呼吸法などのエクササイズのことをいうのだ。ある日私は、その先生の教室へ行った」

「先生は私はよりかなり年上で、もう七十代だ。東洋風にしつらえた静かな部屋の片隅で、まず呼吸法のレッスンが始まる。ヨガはストレッチの効果が高く、呼吸の働きを総合的に理解できる、優れたエクササイズだ」

「しかし私は、ヨガで特に感動するような体験をしたことはなく、いつも何かを意識し、考えながらヨガをしていた。それは、私が習ったことのある伝統的なヨガとは違っていた。この拳法の先生から教わったのは、動き方と呼吸法だ。サルのように歩く。ジャンプする。ヘビのようにじっとしている」

「いろんな動物の動きを真似しながら、呼吸をする。先生に『自分が猿になったところを想像して』と言われると、私は物に抱きつくなど、いろんな動きをした。先生が教え、私が学び、二度、三度とレッスンを積み重ねていくうち、私はそこで身につけた動き、柔軟性、強さ、そしてバランス感覚の素晴らしさにすっかり満足してしまった」

「先生の指導はいつも動物の動きが基本で、たとえば、まず鷹になって、呼吸をして、次は別の動物へという具合だ。話をしては、練習をした。時間があれば先生はいろいろな説明をしてくれて、それが本当に楽しかった」
byヒクソン・グレイシー