
「息子のクロンが試合に出る前に、私はこんな話をした。『結果のことは考えるな。その瞬間のことだけに集中し続けろ。試合終了のベルが鳴るまでは、一瞬一瞬のことだけに集中し続けるんだ。結果を気にしていると、どこかで力が抜けてしまう』」

「『ベルの音を期待してしまう。最後の十秒でもそれがとぎれたら、そこで負けてもしまうかもしれない。だから集中し続けろ。試合が終わる頃だなどと考えてはいけない。ベルが鳴ったらレフェリーに任せればいいだけで、余計なことは考えなくていい』」

「『一瞬もぼんやりするな。ベルが鳴ったら驚くはずだ。そんな音が鳴ることなど忘れていて驚くはずだ。それぐらい集中しろ』。おもしろいことに、何をしているときでも、いつ終わるのかを考えないで集中して取り組んでいると、『よろしい、今日はよく働いてくれた』と言われたときに驚くだろう」

「そんなときは最後まで全力を出しきっている。それが何かに秀でている人と、そうでない人、本当に人生を楽しんでいる人と、ただ時を過ごしている人との違いだ。私にとっては仕事と楽しみはどちらも同じだ」

「区別することなんてできないと考えている。人生は、食べること、セックスすること、仕事をすること、そういうならもかもを合わせたもので、それらはどれも人生の喜びなのだ」
byヒクソン・グレイシー
