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観衆と出場選手合わせて、

ざっと500~700人は居ると思われるたくさんの人。

そして、
A、B、C、D、E、

五つある試合マット……

だけど、

すべてのマットで
試合が行なわれているにも関わらず、

そのたくさんの人々のほとんどが、

試合開始間もない

“Aマット”に視線を飛ばしている。

凄いギャラリーの数!

そして、
準決勝での勝利が決まった瞬間に、
後方から聴こえてきた、誰かが呟いた一言…………..

「…….これは……….

…………….次元が違うわ…….」

2014年8月24日大阪

全日本柔術選手権
アダルト黒帯ライトフェザー級チャンピオン

世界柔術選手権
アダルト黒帯ライトフェザー級ベスト8

トラスト柔術アカデミー総帥

“Legend”
生田誠

復活!

数年前……

「世界柔術選手権で
金メダリストになる!」

それは、
誠先生の夢であり、

同時に、
トラスト柔術アカデミー
メンバー全員の夢だった。

“誠先生は、絶対に
世界チャンピオンに成る”

大袈裟でも何でもない、

誰が何と言おうと、

その夢が実現することを、
メンバー全員、これっぽっちも疑っていなかった。

だから、

「病気で、もう試合には出られない」

という話を聞いた時、

メンバー全員がショックだったし、

第1回DUMAU九州の会場で、

誠先生と会話をした時、

誠先生は笑顔でみんなに
話してくれているのに、
オレの方が涙が止まらなくなったことを思い出す。

あれから、
二年以上の月日が流れた。

素っ気ないぐらいに
時間は過ぎていき、

自分の身体と会話をしながら、病気をコントロールしながら、

熱く
柔術を教えてくれる
誠先生は、

試合にこそ出られないものの、

オレ等にとっては、
前と変わらない、強い先生のままだった。

オレがまだ白帯だった頃、

「誠先生、自分、諦め悪いですから!(^^)」

と言ったオレに対して、

「奇遇ですねぇ~(^^)

自分も”超”諦め悪いんですよぉ~(^^)b」

と言っていた誠先生。

あの時の言葉……

嘘じゃなかったっすね(^^)

“諦めの悪い男”
生田誠

復活!…………………………………………………………………………………………………………..
……………….そんな、ウエットな気持ちは、

試合、特に準決勝を観た瞬間にぶっ飛んだ!

これは!……..

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映画に例えるなら、

「ラストサムライ」を観に来たつもりが、

フタを開けてみれば

「アベンジャーズ」だった!みたいな(^^)

生田誠先生の試合復帰を、

ただ感動的にお祝いするつもりが、

進化した
“トラストstyleのブラジリアン柔術”

すべてのトラスト道場で

練習時にかならずやる

「18種類の打ち込み」onlyを駆使して

勝利する姿に、

誇らしさと

焦りにも似た高揚感を感じた。

トラスト鹿児島に出稽古に来てくれた

柔術家によく

「いったいいつまで“打ち込み”やるんですか」的なことを言われることがあり、

それは自信になっていたけれど、

誠さんの試合を見て、素直に

「あんな風に

試合で打ち込みの技が出るようになるまで、

いったいどれだけ打ち込みやればいいんだろうか………

今のままじゃぜんぜん足りないよ……….」

って思った。

お祝いに来たつもりが、自分自身が最高のお土産もらって、

鹿児島に帰って来た。

誠先生の復帰戦、結果は銀メダル。

決勝戦はレフェリー判定負け。

だけど、あくまでオレ個人的には

負けたと思っていない。

それに、

まだ始まってもいなかった

夢の続きは、今日スタートしたばかり。

鹿児島が生んだスターはたくさんいる。

ミュージシャン、アイドル、サッカー選手、格闘家etc…..

一般的に、ヒーローやヒロインと呼ばれるスターはたくさんいる。

ブラジリアン柔術で強くなっても、

例えば柔術世界チャンピオンになったとしても、

莫大なお金が手に入るわけではないし、

凄い有名人になれるわけでもない。

ただ、

オレ等は柔術に夢を見る。

たぶん、柔術やっているから、生きて行ける。

柔術の考え方で、仕事もしている。

柔術しているような感覚で仕事をすると、勝っても負けても

次に繋がる。

そんな生き方を体現して見せてくれる。

逆境に負けない生田誠こそ、

本物のHEROなんだよ。

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