「私たちの文化、柔術文化は包囲を受けている。我々は少数派になり、かつてのスタイルを失いかけている。私たちのシステムは弱者が強者から身を守るために編み出されたものだ。美しいメダルや派手な宙返りは、実生活とは関係ない」

「護身術を知らなければ柔術を知っているとは言えない。パンチやヘッドロック、ベアハッグから身を守る準備が必要だ。それができない者は握力と身体能力に頼ったタフガイでしかない。それはグレイシー柔術ではない!」

「二日をかけて護身の技術を見直し、どうすれば武術としての柔術がその有効性を取り戻せるかを話し合った。幸先よく、好意的な報道がいくつもなされたが、すぐにまたエゴと既得権益の壁が立ちふさがった」

「共通の目標を明確に打ち立てること、それを共有することさえもがどんどん難しくなってきた。問題のひとつは、柔術がいろいろな派に分裂したのち連絡を取り合ってこなかったことにある。ましてや合同練習などほぼ皆無だ」

「昔の柔術家は道衣を着ていようがいまいが戦えたし、バーリトゥードだろうが総合格闘技(MMA)だろうがリングに上がった。しかし現代の柔術界では、組み技(グラップリング)しか行わない者がほとんどで、彼らはバーリトゥードやMMAで戦おうとはしない」

「護身術を身につけても大会では勝てないという意識ゆえか、そこに意味を見いだそうとしないのだ。みな柔術でお金を稼いでいるため、リスクを冒して現実に掉さすことなどしたくない、ということだろう。これがもっとも大きな問題だった」byヒクソン・グレイシー