「小柄なエリオは″知力で力を制する”と謳う格闘技には打ってつけの広告等だった。グレイシー柔術の初期には、リオのビーチにいる痩せた男と魅力的な女性を組み合わせた広告宣伝が呼び物になった。筋骨隆々の乱暴者が痩せた男を叩きのめし、女の子と去っていく」

「次のシーンでは、痩せた男がグレイシーの道場に入門して柔術の訓練を受け、何週間後かに同じビーチへ戻ってきて乱暴者と対決する。こんどは筋肉男のパンチをさえぎり、地面に投げつけ、腕を折って、女の子と去っていく。もういまでは、こうした広告をつくる必要もなくなったが」

「カーロス・グレイシーが武術としての柔術で大切にしていのは心理的な効用だった。武術によって不安が癒やされ、自信と心の平穏を得ることができた。だから、ほかの人も同じことができると彼は信じていた。柔術は鶏を種馬に変えることができるとよく言っていた」

「カーロスは異色の個性の持ち主だった。いつも白い麻の服を着用し、裸足で歩きまわり、自分は超能力をもたらす慈悲深い精霊と直結していると主張した。夜明け前に起きて朝一番の日光を浴びながら瞑想したり、裸で日光浴をしたりした。そうすることで生まれてくる子が強くなると信じていたからだ」

「バイオリズムや栄養、消化、食べ物の組み合わせについてもよく語っていたが、伝統的な宗教についてはほとんど語っていない。RとKとCの文字は力を秘めていると信じていたため、一族の名の多くはこれらの文字からはじまっている」
byヒクソン・グレイシー