「たいていの相手は、攻撃と防御の中間にあたるポジションを好むだろう。その最も安全なポジションについた相手をコントロールするには、技術が必要になる。体重のかけ方、バランス、ギブアップを取れる技のバリエーションが必要だ。真剣勝負なら、両者が同時に安全なポジションにつくことはありえない」 

「私の経験上、そんなことは起こるはずがない。どちらかが正しいポジションにあるなら、相手は間違ったポジションにいるはずなのだ。ある瞬間どちらも安全なポジションにいたとしても、どちらかが飛びかかれば、相手も必死で跳ね返す。そして、どちらかが負ける。私には確かな技術があるから、相手に良いポジションを取られても平気だ」

「てこの原理と正しい角度を身につけているから、相手のほうが自分のポジションを守るために、多くのエネルギーを使うことになるのだ。たとえば一分経過したところで、どちらもエネルギーが『満タン』だったとしよう。そこで相手が主導権を握ったとする。しかし私の技術レベルでは、相手に多くのエネルギーを使わせることができる」

「相手は攻撃を仕掛けてくるだろうが、私は正しい角度をキープしているから、たとえ主導権を握られていても、チャンスさえ逃さなければ、私に有利な展開となるはずだ。そうした状況が分かっている私は、技術を使って勝つことができるだろう。相手がどんなポジションについていようとも、私のほうが優れていれば、エネルギーの無駄づかいさせ続けられるし、技術が高ければ高いほど、相手に多くのエネルギーを使わせることができる」

「五分もすれば相手は疲れ、十分後には消耗しきってしまうだろうが、それでもこっちは動きを仕掛けるだけのエネルギーが残っていることだろう。そこでもし私が主導権を握れば、相手はますます多くのエネルギーを使わなくてはいけなくなり、苦しい展開だと感じる。しかし私はまだやれる。結局、私が勝つ」
byヒクソン・グレイシー