「相手を尊敬するのは重要なことだ。そのためには謙虚でなくてはならない。謙虚であることは私の長所の一つだと思っているし、どんなときも、自分が人より優れているとは考えないようにしてきた。闘う上で、自分のほうが有利だと考え始めたとたんに、足場を失うことになる」
「相手のさまざまな特徴を理解するどころか、気づくことさえできなくなるからだ。いつも状況を見きわめているべきだということが、はっきりと分かっていた私は、前評判でいくら有利だと言われていても、試合の前に、対戦相手に手を触れながら『強いほうが勝つ』と告げた」
「私を倒せるかもしれないと、相手に思わせたかった。また、油断すると本当に倒されるのだと覚悟しておきたかったのだ。自信がありすぎて、周りが見えなくなってしまうというのは、よくあることだ」
「相手はどんな攻撃をしてくるか分からない。全力を出しきるには、警戒を怠らないでいるしかない。そのために重要だったのが、相手を尊敬することだ。そして感覚を研ぎ澄ましていることだ。どんな状況であっても、一秒に満たないわずかな瞬間でさえ、油断するわけにはいかない」
「それが分かっていたから、人生についても、子育てについても、あるいは、誰かと仕事をすること、試合をすること、付き合うこと、どんなことについても、何が重要なのかを見落とさないようにしてきた。細かいことにまで必ず目を向けたのは、そこにこそ成功への鍵があるからだった」
byヒクソン・グレイシー