「柔術の黒帯に加えて法律の学位も取得していたホリオンは、知識で優位に立っているのをいいことに、商取引で強く出すぎることがよくあった」
「そのため一族のなかには彼を不愉快に思っている者も多かった。アメリカのグレイシーをホリオンに統率してほしいというのがエリオの願いだったが、言うは易し、行うは難しだ」
「異なる方向へ向かう者が多すぎたし、ホリオンが一族を管理しようとしたことが裏目に出てしまう」
「彼はグレイシー柔術の名称を商標登録し、勝手にその名を使ったら法的に訴えると、柔術の世界でともに育った一族の面々を脅したのだ」
「それもあって、以後は″ブラジリアン柔術“という包括的な名称が広まっていく。兄が一族の名を誰でも自由に使わせていたら、我々の武術はいまでもグレイシー柔術と呼ばれていたし、いまよりもっと繁栄していただろう」
byヒクソン・グレイシー