「競技に関する私の最初の記憶は、柔術のことでも試合のことでもない。試合前に父から送られたメッセージだ」
「人生を歩むうえで、その言葉はずっと心に残っている。まだ六歳だったから私に適した部門がなく、年上の子たちと同じ枠に入れられた」
「マットに上がる直前、父は『ヒクソン、試合に負けたらプレゼントをふたつやろう。勝ったらひとつだ』と言った」
「負けても怒られないのだと思うと、重圧が消えていった。試合には負けたが、父が怒らなかったので、いやな思いはしなかった」
「それどころか、年上の子たちに向かっていった私を父は誇りに思ってくれた。父に認められたーーー感じたのはそれだけだ。叱られることも神経をすり減らすこともなかった」
byヒクソン・グレイシー