トラスト柔術アカデミー鹿児島・出水鶴柔術♪
「しばらくのあいだ、兄弟といとこはグレイシー柔術をアメリカに紹介するという使命で一致団結し、成功を収めていった。弟子たちも定期的に別の格闘技とのあいだでチャレンジマッチを行い、勝利を収めては相手を生徒に変えていった」
「そんなひとりにチャック・ノリスがいた。俳優で、アメリカ格闘界のアイコンでもあったノリスは、アメリカにおける柔術の黎明期を大きく支えてくれただけでなく、熱心な生徒でもあり、最終的に黒帯を取得した」
「八〇年代に休暇でリオを訪れたノリスは、行く先々でグレイシー柔術と一族の打ち立てた偉業を耳にしたという。そこで私の父に連絡を取り、個人レッスンを受けることになった。私と組み技の練習をしたあと、父はノリスに自分の上になるように命じた」
「ノリスがマウントの形になったところで、父は、『よし、チャック、私を殴ってごらん』と言った。当時、父はすでに七十代だったからアメリカ人は逡巡したが、エリオはくり返し要求した。ノリスはパンチを打とうと腕を引いたが、結局一度もその拳を打ち込めないままチョークで落とされた」
byヒクソン・グレイシー