トラスト柔術アカデミー鹿児島・出水鶴柔術♪
「試合前日のルール会議まで、ホイスは神経をうまく操っていた。一七五ポンド〔七九キロ〕の彼は出場選手八人の中では圧倒的に体が小さく、経験も浅かった」
「ほかの七人はみな身長が一八〇センチ以上あり、体重は二〇〇ポンド〔九一キロ〕を超え、サモア出身の相撲取りテイラ・トゥリ〔元大相撲幕下の高見州〕にいたっては四二〇ポンド〔一九〇キロ〕あった」
「前述したとうりに、第一回UFCはノールールの大会と宣伝されたが、じつは禁止事項が三つあった。「噛みつき」「目つぶし」「金的への攻撃」だ。ルール会議がはじまるや、選手たちはたちまち口論になった」
「大柄なキックボクサーが金的攻撃を認めろと言い、ホリオンと言葉の応酬が続いた。ホイスを勝たせるためにホリオンが大会を不正に操作していると、その選手が非難したところで会議は紛糾した。選手たちとその陣営が立ち上がり、大声で罵声を浴びせる」
「緊張が高まったとき相撲取りのトゥリが立ち上がって言った。「ほら、書類にサインしたぜ。ほかのみんなのことは知らないが、俺がここへ来たのはお祭りをするためだ。明日の夜、アリーナで会おう」巨体のサモア人は誓約書をテーブルに置いて出ていった」
「これもあって、ホリオンはどうにか事態を収拾したが、バーリトゥード大会の初陣を二十四時間後に控えたホイスの緊張がほぐれることはなかった」
byヒクソン・グレイシー