「毎日ホイラー、ホクソンと運動し、しっかり食事を取ったあとひとりで森に入った。戦いに赴く心の準備をするためだ。自前の彫刻道具を持参し、木の枝から皮を剝いですっきりなめらかになるまで削った」
「最大限の集中力が必要なことをしたかった。竹の切れ端をナイフで削るような単純作業をすることで、刃に意識を集中させ自分のリズムに乗ることができる」
「小屋に戻ると、削りおえた枝を最終日に燃やす薪の山に加えた。週に何度かは、シュノーケルをつけて凍結した川に全身を沈めた」
「まず冷たい衝撃が走り、次に焼けつくような痛みと不安に襲われるが、ある時点でこのまま死んでもいいと腹をくくるのだ。呼吸を制御できるようになると、この階段を通り抜けて寒さが消え、痛みが喜びに変わっていく」
「あれだけ冷たい水に入るには、心身ともに自分を制御できなくてはならない。水から上がって呼吸をはじめると、凍えるような寒さなのに温かい。鳥肌が立つことすらなかった」
byヒクソン・グレイシー