
「たとえば、悪いやつが襲ってきたとしよう。自分より十五歳も若く四十キロも重い男が、自分を痛めつけにくるのだ」

「そこで一時間ずっとホールドしていると、ようやく警察がやってきてそいつを逮捕し、命拾いをする。うまくいった。これは実質的な勝利と同じで、最悪でも命は助かる。もっと互角の条件なら勝てたはずだ」

「たとえば年が同じで体格も何もかも同じなら、叩きのめせるに違いない。私は、まず心がけていたのは、相手を打ちのめそうとしないことが重要だと考えていた。決して自分がやられないことだ」

「チャンスは必ず利用して決着をつけたが、決着をつけること自体を最優先したわけではなかった。私は、飢えた目で闘いを挑んで自分の欠点を忘れたりはしない」

「いつも危険を意識して試合に臨むと同時に、どんな隙も見逃さずに食らいつく。勝つことを優先したことはない。何よりも大事なのは、生き残ることだ」
byヒクソン・グレイシー
