
「『勇敢な』悪者は銀行強盗するとき、撃たれても構わないと思っている『勇敢な』悪者とは、つまりは無鉄砲な愚か者のことだ。自分が何を手に入れたいかを知っていて、銃に弾を込め、『よし、俺を捕まえようとするやつは、道連れだ。俺は構わない。さあ、やれよ』と言う人間だ」

「しかし、銀行強盗を狙う男は、勇敢でも尊敬に値しない。ではサンパウロ、ロサンゼルス、ニューヨークで警官になろうとする男ならどうだろう?家族と平和に暮らしながら、一歩町へ出れば恐ろしい問題に対処する男。警官という仕事への情熱がなくては務まらないし、恐ろしくて町になど出られない」

「情熱がなければ、銃の音を聞いた瞬間に、車の陰に隠れ、相棒を見捨てて逃げるだろう。それは臆病者だ。そんなやつは警官になるべきではない。警官は命をかけて市民を守る存在であることを期待されている。消防士はどうだろう」

「炎に包まれた家に飛び込んで子供を救いたいと思わない人間が、消防士になれるだろうか?いつ発生するか分からないビル火災。人の命を救おうという情熱がなくては務まらないし、自分のすべてを捧げる覚悟がいる」

「なぜそれが消防士や警官にしかできないのだろうか?悪党でさ、格闘家と同じように命をかけることができるというのに、なぜ普通の人は、情熱を追うために自分を捧げ、そのために喜んで命を投げ出さないのだろうか?」
byヒクソン・グレイシー
