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父は私を特別な存在として見ていた

「ある日、友人が小さな袋をひとつ買いたいと言ってきた。急いでいたから、大きな一ポンド袋からひと握り取り出した。しかし、この一ポンド袋を隠し場所にしまわず、ベッドの枕の下に入れたまま家を飛び出してしまった。家に帰るとマリファナの袋がない。大変なことになったと思った」

「母よりクライオのほうが怖かったから、返してくれと母に頼んだ。『そんな話、聞きたくない。お父さんに見せます』と言う。そこへホリオンが帰ってきて私からいろいろ聞き出そうとしが、父以外には話さないと私は言った。ようやく帰宅したエリオは、ホリオンといっしょにマリファナをトイレに流しはじめた」

「『そのマリファナは僕のじゃないんだ、やめてくれ』その言葉が口をついた瞬間、しまったと思った。いまや、みんなの目が私に注がれていた。十四歳の子どもに一ポンドものマリファナを預けたのは誰なのか、父は知ろうとした。さらにまずいことに、明日クライオと話をしたいから連れていけ、とエリオは言った」

「『逮捕されたり、ぶちのめしたりする気はない』父は請け合った。『うちの息子に近づくなと言い渡すだけだ』次の日の夜、私たちはビーチへ行き、父とホリオンと三人でクライオに近づいた。『クライオ、父さんがーーー』エリオは私をさえぎった。『おい、ろくでなし。もしーーー』麻薬の売人は逃げようとしたが、ホリオンがタックルして押さえつけ、父が凄みを利かせて忠告した」

「クライオは許を乞うた。屈辱もいいところだ。翌朝、最悪の気分でクライオに会いにいった。マリファナの代金は働いて少しずつ返すと申し出て、二度とヘマはしないと約束した。彼は許してくれた。しばらく仕事に戻ったものの、メンバーがステレオを盗んだり銃を使ったりするようになり、私は少しずつカモンイスから離れていった」

「彼らが先のない道を歩いていることに気がついたし、犯罪に手を染める暮らしより柔術とサーフィンと女の子のほうが魅力的だった。当時の私は反抗的で、父が承服しかねることもしていたが、戦うことだけはやめなかったし、実際勝ちつづけた。だから父は私を特別な存在として見ていた」

byヒクソン・グレイシー

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