トラスト柔術アカデミー鹿児島・出水鶴柔術♪
「茶帯を取るころには、兄ホーウスと戦うときが近づいていた。彼の柔術の限界もわかりはじめていた。ホーウスはアームロックの仕掛けと腹や胸、わき腹を膝で押さえるニーオンベリーの技術に優れている」
「バックを取られれば致命的だが、しかし攻撃の予測はついた。直近に行ったスパーリングで、彼は私からタップを奪えなかっただけでなく、逆に攻め返されて互角の勝負に持ち込まれていた」
「ある日の午後、ペトロポリスにある父の牧場で、ふたりだけで組み合った。唯一覚えているのは、考えつくかぎりの激しい攻防を経て深いハリケーンの目を抜けたことだ。暴風雨を抜けたとき、私はホーウスをチョークにとらえ、気がつくと彼がタップした」
「最初から最後まで反応と反応の戦いだった。マウントを取られていたのか、彼のバックを取っていたのかもよくわからない。覚えているのはチョークで仕留めたことだけだ。ホーウスを倒したところは誰も見ていない」
「この日の稽古が終わったとき、ふたりで抱き合い、彼は私の頬にキスをして、『よくやった、おまえを誇りに思う』と言った」
byヒクソン・グレイシー