「触覚、体重のかけ方、勢い、相手との接点など、柔術の目に見えない側面を教えるのはとても難しい」
「講義や書物から学べる理論的、知的な知識でなく、みずから何千時間もの練習をして初めて手に入れるものだからだ。ときおり、アメリカでは記録的な速さでそれを身につける生徒もいた」
「もちろん、ピコ・アカデミーも楽しいことばかりではなかった。どんな道場にも生徒の基準点となる明白なリーダーが必要になる。柔術道場もサーカス団と同じで、リーダーは舞台監督の性格を帯びてくる」
「どの道場にも虎やライオン、熊、蛇、犬、猫がいる……さらにはトカゲまで。舞台監督はライオンを手なずけたあと、ライオンが犬を食べないようにし、犬がトカゲを食べないようにし、猫がトカゲを食べないようにしなくてはいけない」
「私はみずか手本をしめすことで統率していたので、あつかいにくい人間がドアを通ってきたときは鼻をへし折ってやる必要があった。怪物は初日に飼いならさないと、戻ってきて道場の白帯選手を食らおうとするからだ」
byヒクソン・グレイシー